カーシェアリング研究所

カーシェアは便利なのか?入会して使った結果

各国におけるカーシェアリングの歴史

カーシェアリングサービスはもはや日本だけではなく世界各国で人気のサービスです。今回はカーシェアリングが今のように人気を得るためまでの背景を解説します。

アメリカのカーシェアリング入会人気の背景

長年、自動車王国として世界に君臨してきたアメリカ。

ゼネラル・モーターズをはじめとする自動車メーカーはアメリカの一大産業の担い手として市場に大きな影響力を持っていた。ところが2008年のリーマンショックの煽りを受け、2009年にはゼネラル・モーターズ、クライスラーの2社が経営破綻に追い込まれます。アメリカ政府はフォードを加えたビッグスリーの救済に乗り出したが、もはやかつてのような勢いは見られず、自動車生産、販売台数ともに中国に世界一のTHEを譲ることになりました。

そんな中、製造業とは全く別種の自動車関連サービスがだいとうしてきている、それがカーシェアリングベンチャー企業のZipcar(ジップカー)です。

Zipcarカーシェア

カーシェアリングとは会員が各エリアに配備されたクルマを使いたい時間帯分だけ利用するというクルマの新しい利用形態であり、1980年代後半からヨーロッパを中心に普及したサービスです。

Zipcarのはじまり

Zipcarは2人の女性によって設立され、学生たちが1台のクルマを共有して使ったのが始まりとされます。アメリカの大学は日本と異なり非常に広大な土地の中に寮やキャンパスがあるが、クルマが無いと不便だったのです。レンタカーは大抵駅や空港ターミナルにカウンターがありそこまでイカなければクルマは借りることができないようです。またクルマが全部出払っていて借りれないということもおうおうにしてあるようです。日本とは中々違いますね。

その頃にZipcarのカーシェアリングサービスを立ち上げた女性のうちの1人がドイツに壱岐、たまたまカーシェアリングのサービスを見つけ、レンタカーとは別なシェアリングという考え方に興味を持ったのがきっかけということです。レンタカーとは異なり、街のアチラコチラでクルマが置かれていてインターネットで自分が使いたい時に好きな車種を選んで予約ができます。しかも24時間年中無休、短時間から利用できるサービスというのも魅力の一つだったようです。これにヒントを得て、大学の周りにステーションを設置し、学生たちを入会のターゲットのためにカーシェアリングサービスを開始したという訳のようです。

学生たちのニーズを感じ取った2人は国内の動きより、むしろヨーロッパでのカーシェアリング入会の普及に触発され、これからはカーシェアリングの時代が来ることを確信。ボストンを拠点にZipcarを立ち上げたのです。

アメリカのレンタカーは1日単位でのレンタルが基本ですが、Zipcarは最短1時間からの貸出が可能です。また、インターネットを駆使して入会、予約から貸出、返却までの手続きを簡素化してます。入会した会員は同社のWEBサイトで車両の置かれた駐車場を検索して、予約を行う。スタート時の会員数はたったの500人ほどで台数はわずか10台ほどで利用者にとって便利な場所にあるかどうかを最優先事項として、清掃は怠らずに会員の信頼を得られるように地道な努力は惜しみませんでした。同社では会員のことを「ジップスターズ」と呼び、おしゃれなカードを発行して新しいライフスタイルの提案をしました。都市部ではやはりクルマの所有に対する維持費が高く、地下鉄やバスなどの公共交通機関が発達している都市部ではカーシェアリングを使って「所有」よりも「利用」したほうが経済的かつ効率ということを人々に気付かせたのです。

その新しいライフスタイルの提案は非常にウケ、この10数年の間において目覚ましい成長を遂げています。

Zipcar入会会員のステータス化

さらにZipcarが目指しているのは会員であることのステータス化です。

当初はフォルクスワーゲンのビートル、ゴルフ、ホンダのシビックなどの小型自動車を中心に増強を図った来たのですが、今では車種がバラエティに飛んでいます。BMWもあればボルボなどの所有では手が届きにくい車種もカーシェアリングであれば好きなときに乗れるというのも人気の理由の一つと言えます。ユーザーのクルマに対する意識が「所有」から「利用」にシフトしたことによって、過剰消費の習慣をあたらめ、資源、お金の節約、二酸化炭素の排出量の削減などまさにメリットが多いことがわかります。カーシェアリングに入会する人は所得が少ないという印象から、むしろエコ意識が高く環境にやさしい印象をZipcarとして打ち出したのです。今やZipcarは世界的にみてもトップブランドになりジップスターズであることはもはや会員にとっての誇るべきステータスになっているのです。

Zipcarはリーマンショックなどの世界同時不況のタイミングで自動車メーカーが業績不振に合ったとしても大躍進をみせ、現在入会会員数は56万人、車両台数は8000台を上回っているようです。ボストンでは45万人の人が7分以内でいずれかの車両にアクセスできるほど充実したサービスになっています。

カーシェアリングのビジネスモデルとしては車両と駐車場の先行投資がどうしても必要であるため事業拡大のタイミングでは赤字を余儀なくされるサービスであるといえます。Zipcarは順調に売上を伸ばしていてサービス提供エリアでは半数以上で黒字化しているものの、エリア拡大に伴う先行投資があり、未だ最終損益は黒字にはなっていないようです。ただ、2009年の売上は1億3000万ドルにまでのぼり、2011年4月にはナスダック上場を果たしています。

国内最人気カーシェアリングタイムズによる考察

タイムズプラスを運営しているタイムズ24の代表取締役社長の西川光一氏はマンハッタンに行った際に会う人会う人すべてがジップカーのことを知っていたのに非常に驚いたようです。更に話をした人の7割が既にジップカーの入会会員でそのうちの3〜4割の方は頻繁に利用しているとのことです。ニューヨークでは地下鉄やバスなどの公共交通機関と並んで市民権を得ているようです。日本よりも先に進んでいることがわかります。他にも会員の利用頻度が高いため。土日はカーシェアリングステーションを使いたかったら早めに予約をしないとまず借りられない。最寄りのステーションが空いていなければ次に近いところ、さらにそこも空いていなければ次に近いエリアという様に借りなければならないわけです。

西川光一氏は「日本でカーシェアリングの市場をこれから創造していこうというタイミングで、本格的に入会普及をさせるには使いたい時に使えるサービス、身近にあるというのが重要なポイントであり、まずはステーションの拡大が必須」ということを述べています。カーシェアリングのサービスの特性として人口がみ密集していて、公共交通機関が発達している都市に適したサービスであるということを考えるとアメリカよりもむしろ日本に向けたサービスということもいえます。

カーシェアリング入会数人気ナンバーワン スイスの背景

カーシェアリングの歴史は、1948年のスイスに遡ります。

もともとはセファージという1台のクルマを複数人で共同購入する協同組合になります。当時はクルマの値段は高く、一般市民にとっては高嶺の花でした。そこで何人かを集めて割り勘でクルマを共同購入することで、庶民の手に届く様にしたのが始まりで経済的な理由から生まれたサービスです。やがて経済が発展し、市民の所得が増えることと産業革命によってクルマ本体の価格が低下したことによってカーシェアリングのはじめセファージは下火になっていきました。

その40年後スイスで不特定多数の人が利用出来るようになるシェアリングスタイルが登場したのです。1970年から80年にかけて、スイスではクルマ社会の発展によって大量のクルマが都市部に集中するようになりました。街は道路と駐車場にかなりの土地を占領され、その後人々は都心から郊外に住むようにライフスタイルを変化させました。代わりに起こったのが商店街のシャッター化現状です。そこでスイスは行政の手動によって大規模なクルマの流入規制に踏み切り公共交通機関の充実を進めていきました。そんな中設立されたカーシェアリング組織はかつての経済的理由からの発展ではなく、全く別の理由によって生まれ変わったのです。設立目的はカーシェアリングを増加させることによってマイカー利用を減らすこと、更に環境への付加を軽減させることを狙いとしていました。そして1997年にスイス政府がエネルギー政策の一環としてカーシェアリング事業をサポートすることで公共のサービスとなりました。もはやスイスでは整備されている公共交通機関と同様の位置づけであり、駅ごとにカーシェアリングのステーションを設け、公共交通機関とカーシェアリングの共通パスを導入するなど利便性を高めるためのアイデアをスイス政府として全面的にサポートすることで急激な成長を遂げてきました。

現在のスイスでの人口あたりの普及率は1.22%とダントツで2位のカナダは0.21%と大きく引き離しています。ちなみに日本は0.06%の普及率です。こうして1980年代にスイスで始まったカーシェアリングは、環境保全への世界的な意識の高まりとあいまって躍進しているサービスとなりました。

各国のカーシェアリング入会・利用普及率

またこれが各国のカーシェアリングの普及率を示した表です。

carshare_graph2015

 

こちらは日本国内におけるカーシェアリングの会員数と車両台数を示したグラフ。

carshare_graph2014_01

 

こちらが各国の普及率を示した表です。このように見ると日本の普及率の伸びが非常に大きくなっていることがわかります。

開始年 CS組織数 車両数 会員数 人口 会員数/人口(%) 調査年月
アメリカ 1998 25 12,131 891,593 308,750,000 0.29 2013.1
カナダ 1994 20 3,432 141,351 35,160,000 0.40 2013.1
スイス 1987 1 2,650 105,100 8,040,000 1.31 2012.12
ドイツ 1988 145 6,700 270,000 81,750,000 0.33 2013.1
イギリス 不詳 約25 3,000 160,000 61,800,000 0.26 2013.12
日本 2002 33 12,373 465,280 127,336,000 0.37 2014.1
6ヵ国計 40,286 2,033,324 622,836,000 0.33
(出所)
  • アメリカ:TSRC ホームページ(Susan Shaheen 他調査データ)
  • カナダ:TSRC ホームページ(Susan Shaheen 他調査データ)
  • スイス:Mobility CarSharing Switzerland ホームページ
  • ドイツ:Bundesverbands CarSharing e.V. ホームページ
  • イギリス:Car Plus ホームページ
  • 日本:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団調べ

引用:http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2015.3.html

   

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